毎日見ている太陽。
朝になると昇って、 夕方になると沈む。
あまりにも見慣れているので、 つい普通の存在みたいに感じます。
でも、 数字をちゃんと見てみると、
全然普通じゃありません。
まず太陽の直径。
約140万km。
地球の直径は約1万2700kmです。
つまり太陽の横幅には、
地球が約109個並びます。
109個ですよ?
地球を横に並べて、
1、2、3……
と109個置いて、 ようやく太陽の端から端まで届く。
……でかい。
いや、
まだ「横幅」の話しかしていません。
中に入れると、地球約130万個。
ここからがおかしいです。
太陽の直径は、 地球の約109倍。
じゃあ、 中に地球はいくつ入るのか。
100個くらい?
1000個?
違います。
約130万個です。
……130万。
地球が。
1個じゃありません。
130万個。
ちょっと待ってください。増え方がおかしい。
これは、 大きさが3次元だからです。
直径が約109倍になると、 体積はその3乗で増えます。
だから、 中に入る地球の数は一気に約130万個まで増える。
理屈は分かります。
でも、
130万個って何ですか。
地球ひとつだけでも、 私たちにとっては途方もなく大きいですよね。
海があって、 山があって、 国があって、 何十億人もの人が暮らしている。
その地球が、
130万個入る空間。
それが、 毎日空に見えている太陽です。
急に怖くなってきませんか。
でも同時に、 めちゃくちゃ面白い。
重さは、地球約33万個分。
では質量はどうでしょう。
太陽の質量は、 地球の約33万倍。
地球33万個分です。
さっき、 体積は約130万個分でした。
でも質量は33万個分。
「あれ?」
と思いますよね。
実は太陽の平均密度は、 地球よりかなり低いです。
太陽は固い地面がある巨大な球ではありません。
主に水素とヘリウムでできた、 巨大な高温のガス・プラズマの塊です。
だから体積はものすごく大きい一方で、 平均密度は地球より低い。
ここも面白いんです。
「大きい=ギュウギュウに重い」ではない。
宇宙、 単純なイメージで考えるとすぐ裏切ってきます。
しかも太陽系の質量、ほぼ太陽です。
水星。
金星。
地球。
火星。
木星。
土星。
天王星。
海王星。
さらに小惑星や彗星まであります。
太陽系って、 かなりいろいろあります。
ところが、 その全部をまとめても、
太陽が太陽系の質量の約99.8%を占めます。
……ほぼ全部じゃないですか。
惑星が8個もあるので、 なんとなく太陽系全体でバランスよく質量を分け合っているように感じます。
全然違います。
太陽が、 ほぼ持っていっています。
太陽系、実質ほぼ太陽です。
その圧倒的な質量が生み出す重力で、 地球を含む惑星たちは軌道を回っています。
私たちが毎年きれいに太陽の周りを一周しているのも、 この巨大な質量があるからです。
表面だけで約5500℃。
サイズだけでも十分なのに、 温度も普通ではありません。
太陽の表面にあたる光球の温度は、 約5500℃。
5500℃。
鉄の融点は、 約1500℃です。
つまり、
鉄が溶ける温度よりはるかに高い。
そして、 中心部へ行くと、
約1500万℃。
……桁が変わりました。
5500℃でも十分意味が分からないのに、 中心部では1500万℃。
ここでは、 水素の原子核同士が融合する核融合反応が起きています。
その核融合によって、 太陽は光と熱を生み続けています。
つまり、 今あなたの顔に当たっている日差しも、
太陽中心部の核融合から始まったエネルギーです。
そう考えると、 普通の日光まで急にすごく見えてきませんか。
地球まで1億5000万km離れています。
太陽は大きくて、 ものすごく熱い。
じゃあなぜ私たちは普通に生活できるのか。
単純です。
めちゃくちゃ離れているからです。
地球と太陽の平均距離は、 約1億5000万km。
1億5000万kmです。
これを聞くと、
「それだけ離れているなら、まあ安心か」
と思いますよね。
でも、 ここでも宇宙がやってきます。
太陽の光は、 その距離を、
約8分20秒で地球まで飛んできます。
1億5000万kmを、 約8分。
光、 やっぱり速すぎます。
ということは、 今見えている太陽は、
約8分前の太陽です。
もし太陽で何か起きても、 その光が届くまで、 私たちは約8分間知ることができません。
毎日見ている太陽なのに、 実はリアルタイムではありません。
こういうところ、 宇宙っていちいち面白いんですよ。
でも宇宙全体では「普通の星」です。
ここまで聞くと、 太陽って宇宙最強クラスの巨大天体に思えてきます。
地球130万個。
質量33万個分。
中心温度1500万℃。
もう十分でしょう。
ところが。
太陽は、星としては特別巨大なわけではありません。
……出ました。
宇宙のいつものやつです。
私たちから見れば、 とんでもなく巨大な太陽。
でも宇宙には、 太陽よりはるかに巨大な恒星があります。
NASAも、 太陽より何十倍、場合によっては100倍級の半径を持つ巨大な星が存在することを説明しています。
つまり、
地球130万個入る太陽を見て「普通サイズですね」と言ってくるのが宇宙です。
もう基準がおかしい。
でも、 だから宇宙は面白い。
太陽ひとつ知っただけで、 その向こうに 「もっと大きい世界」が見えてきます。
太陽を知ると、地球が奇跡みたいに見えてくる。
私は太陽の数字を見るたびに、 もう一つ面白いと思うことがあります。
そんな巨大で、 そんな高温で、 核融合を続けている天体の近くに、
私たちは普通に暮らしています。
近すぎれば暑すぎる。
遠すぎれば寒すぎる。
でも地球は、 太陽から適度な距離にあって、 そのエネルギーを受け取っています。
植物が育ち、 海があり、 気候が生まれ、 私たちが生活している。
毎朝、 何気なく見ている太陽。
でも本当は、
直径約140万kmの核融合炉が、1億5000万km先で燃え続けている。
そう考えると、 いつもの朝日がちょっと違って見えてきませんか。
今回のコレやばい指数
※「コレやばい指数」は当サイト独自の表現で、 科学的な評価指標ではありません。
最後にもう一度。
太陽の直径、 約140万km。
地球の約109倍。
体積は、 地球約130万個分。
質量は、 地球約33万個分。
中心温度、 約1500万℃。
地球まで、 約1億5000万km。
そして、
これでも宇宙では「ものすごく特別な巨大星」というわけではありません。
もう一度言います。
地球130万個入るんですよ。
それでも宇宙には、 もっと巨大な星があります。
……最高じゃないですか。
知れば知るほど、 「じゃあもっと大きい星は?」 「もっと熱い星は?」 「太陽の最後はどうなるの?」 と次の疑問が出てきます。
こうやって一つ知るたびに、 さらに先が見たくなる。
これだから宇宙はやめられません。
そして宇宙は、その上を普通に出してくる。

