ダークマターがやばい!宇宙の物質の約85%が見えないってどういうこと?

ちょっと想像してみてください。

宇宙にある星。

惑星。

銀河。

ガス。

ブラックホール。

そして私たち人間。

全部まとめても、

宇宙にある「物質」のほんの一部です。

……え?

今見えているものが、 ほぼ全部じゃないの?

違います。

現在の宇宙モデルでは、

宇宙に存在する物質の約85%は、 私たちには見えないと考えられています。

その正体不明の物質。

それが、 ダークマターです。

名前からしてもう怪しい。

でも、 もっとやばいのはここからです。

見えないのに、「ある」とかなり強く考えられています。

どういうこと?

見えないんですよ?

触ったこともない。

直接捕まえたこともない。

なのに、 宇宙を見ると、

「これ、絶対何かいるだろ」

という証拠があちこちに出てくるんです。

まず、宇宙の中身を数字で見るとおかしい。

現在の観測では、 宇宙全体の質量・エネルギーは、 おおまかに3種類に分けて考えられています。

普通の物質。

ダークマター。

ダークエネルギー。

その割合は、 およそ、

普通の物質 5%。
ダークマター 27%。
ダークエネルギー 68%。

……待ってください。

普通の物質、 5%?

私たちの体。

地球。

太陽。

木星。

何千億もの星がある銀河。

観測できるガスやちり。

全部、 普通の物質です。

それを全部集めても、 宇宙全体では約5%。

私たちが「宇宙」だと思って見ているもの、だいたい脇役です。

これはかなり衝撃的です。

普通の物質 約5% 星・惑星・人間など
ダークマター 約27% 正体不明の見えない物質
ダークエネルギー 約68% 宇宙膨張に関係する大きな謎

でもダークマターって、見えないんですよね?

そうです。

ここが面白すぎます。

普通の物質なら、 光を出したり、 光を反射したり、 光を吸収したりします。

だから望遠鏡で見つけられます。

ところがダークマターは、 少なくとも私たちが観測できる範囲では、

光をほとんど出さない。反射しない。吸収もしない。

つまり、 普通の望遠鏡では見えません。

黒いから見えない、 という話でもありません。

黒い物体なら、 背景の光を遮ることで存在が分かります。

ダークマターは、 そういう感じでもない。

本当に「光ではほぼ見つけられない物質」です。

それなのに、 宇宙の物質の大部分を占めている。

……こんなの、 気にならないわけないでしょう。

じゃあ、なぜ「ある」って分かったの?

答えは、 重力です。

ダークマターそのものは見えなくても、 質量があるなら重力を生みます。

その重力の影響を調べると、

「見えている物質だけでは説明できない」

現象が出てきます。

代表的なのが、 銀河の回転です。

銀河の中では、 大量の星が中心の周りを回っています。

普通に考えれば、 中心から遠くなるほど、 星の回転速度はかなり遅くなるはずです。

ところが実際に観測すると、

外側の星が予想以上に速く回っています。

これは困ります。

見えている星やガスの重力だけを計算すると、 そんな速さで回ったら、

銀河の外へ飛んでいってもおかしくない。

なのに飛んでいかない。

銀河はまとまっている。

じゃあ、 何か見えない質量があるのでは?

という話になります。

ここでダークマターが出てきます。

銀河の周りに「見えない巨大な塊」があるらしい。

現在では、 銀河は見えている星だけでできているのではなく、

その周囲を巨大なダークマターの塊が包んでいる

と考えられています。

これを、 ダークマターハローと呼びます。

ハローは「halo」。

銀河を囲む巨大な領域です。

つまり、 夜空で美しい渦巻銀河を見たとします。

目に見える部分だけなら、 「これが銀河なんだ」と思いますよね。

でも実際には、 その周囲に、

目では見えない巨大なダークマターの領域が広がっている可能性があります。

見えている銀河より、 見えない部分の方が重要かもしれない。

宇宙、 何を隠してるんですか。

重力レンズでも「見えない何か」が見えてくる。

さらにすごい方法があります。

重力レンズです。

アインシュタインの一般相対性理論によれば、 巨大な質量があると、 その周囲の時空が曲がります。

そこを通る光も曲げられます。

つまり、 遠くの銀河から来た光が、 手前にある巨大な質量によって曲げられる。

この曲がり方を調べると、

そこにどれくらいの質量があるのか推測できます。

ここからがすごい。

見えている星やガスだけでは、 観測された光の曲がり方を説明できない場合があります。

つまり、

「見えてないけど、ここに質量がありますよね?」

という分布が浮かび上がってくる。

見えないものを、 その重力だけで地図にしていく。

これ、 めちゃくちゃカッコよくないですか。

人類、 見えないなら重力で探し始めました。

特にすごいのが「弾丸銀河団」。

ダークマターを考える上で、 よく知られている天体があります。

弾丸銀河団(Bullet Cluster)です。

これは、 2つの銀河団が衝突した巨大な現場です。

銀河団同士がぶつかると、 普通の物質である高温ガスは互いに衝突し、 減速します。

一方で、 重力レンズを使って質量の分布を調べると、

大部分の質量が、ガスとは別の場所にあることが分かりました。

つまり、 目に見える普通の物質と、 重力を生み出している見えない物質が 分かれているように見える。

これはダークマターの存在を支持する 非常に重要な観測の一つです。

……すごいですよね。

見えないものの存在を、

銀河団同士の大事故から見つけているんです。

宇宙規模の交通事故が、 宇宙最大級の謎の手掛かりになっています。

で、結局ダークマターって何なの?

ここまで証拠があるなら、 そろそろ正体くらい分かっていそうですよね。

では答えです。

分かっていません。

……はい。

ここまで来て、 まだ分かっていません。

候補はいろいろあります。

未知の素粒子。

アクシオン。

WIMPと呼ばれる仮説上の粒子。

その他にもさまざまな説があります。

でも、

「これがダークマターです」

という決定的な正体は、 まだ確認されていません。

NASAも、 ダークマターの正体は依然として大きな謎だとしています。

これが最高に面白いところなんです。

もしかすると、今この瞬間も通り抜けている?

さらに不思議な話があります。

もし現在考えられているダークマター像が正しければ、 ダークマターは銀河全体に存在しています。

当然、 太陽系もその中にあります。

地球も。

そして私たちも。

つまり今この瞬間も、ダークマターが私たちの周囲に存在している可能性があります。

場合によっては、 私たちの体を通り抜けているかもしれない。

でも気づかない。

ほとんど反応しないからです。

目にも見えない。

触れない。

でも重力では、 宇宙全体に大きな影響を与えている。

身近なのに、正体不明。

いやもう、 ロマンの塊じゃないですか。

ダークマターがなかったら、私たちもいなかったかもしれない。

そしてダークマターは、 ただの謎の物質ではありません。

宇宙の歴史そのものに、 大きく関わっていると考えられています。

宇宙が若かった頃、 ダークマターの重力によって物質が集まり、

そこへ普通の物質も引き寄せられ、 やがて銀河や銀河団が形成されていったと考えられています。

ダークマターは、宇宙の巨大な骨組みのような存在かもしれません。

見えない。

正体も分からない。

なのに、 銀河を作るうえで重要だったかもしれない。

ということは、

地球が存在している背景にも、ダークマターが関わっている可能性がある。

そう考えると、 急に他人事じゃなくなります。

宇宙の95%を、私たちはほとんど理解していない。

そして最後に、 さらに大きな話です。

普通の物質は約5%。

ダークマターが約27%。

ダークエネルギーが約68%。

ダークマターだけでも正体不明なのに、

ダークエネルギーも、 正体がよく分かっていません。

つまり、

宇宙の約95%は、私たちがまだ十分理解できていない領域です。

……95%ですよ?

人類、 宇宙についてかなり分かってきた気がしていました。

ブラックホールを撮影した。

重力波も検出した。

何十億光年も先の銀河を観測している。

それでも、

「宇宙って何でできてるの?」

と聞かれたら、 大部分についてまだ答えられない。

これ、 絶望的というより、

私はものすごくワクワクします。

だって、

まだ95%も謎が残っているんですよ。

宇宙、 まだ全然終わってません。

むしろ、 始まったばかりです。

今回のコレやばい指数

ヤバさ ★★★★★
謎の深さ ★★★★★
見えなさ ★★★★★
ワクワク度 ★★★★★

※「コレやばい指数」は当サイト独自の表現で、 科学的な評価指標ではありません。

今回の話をまとめます。

ダークマターは見えません。

正体も分かりません。

でも、 銀河の回転や重力レンズなどを調べると、

見えている物質だけでは説明できない重力があります。

そして現在、

宇宙の物質の約85%がダークマターだと考えられています。

見えない。

触れない。

何なのか分からない。

なのに、 銀河を支え、 宇宙の巨大構造を作るうえで重要だった可能性がある。

……こんなの、 調べたくならない方が無理です。

いつか正体が分かった瞬間、 人類の宇宙観がまた大きく変わるかもしれません。

その瞬間を、 今生きている私たちが見られる可能性だってあります。

これだから宇宙は面白い。

今回の結論 ダークマター、やっぱりやばい。
宇宙は「見えているもの」の方が少数派だった。

参考・出典

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