宇宙の温度がやばい!宇宙空間は約−270℃ってどういうこと?

宇宙って、 ものすごく寒いイメージがありますよね。

真っ暗。

空気もない。

太陽から遠く離れたら、 何もかも凍りつきそう。

では、 宇宙の温度って何度なのか。

よく出てくる数字があります。

約−270℃。

……冷たすぎません?

水が凍る0℃どころではありません。

冷凍庫なんて比較になりません。

でも、 ここでちょっと待ってください。

そもそも「何もない宇宙空間」に温度ってあるんでしょうか。

ここからが面白いところです。

まず、−270℃は「絶対零度」のすぐ上です。

温度には、 これ以上下がらないとされる限界があります。

それが、 絶対零度です。

摂氏では、

−273.15℃。

ケルビンでは、 0K。

宇宙の背景温度は、 およそ2.725K。

つまり摂氏では、 約−270.4℃です。

絶対零度との差は、

たった約2.7℃分。

宇宙、 温度の下限ギリギリまで来ています。

絶対零度 −273.15℃ 理論上の最低温度
宇宙背景放射 約−270.4℃ 2.725K
絶対零度との差 約2.7℃ ほぼ温度の底

でも「宇宙そのものが−270℃」は少し雑です。

ここ、 かなり重要です。

宇宙空間は、 ほぼ真空です。

地球の空気みたいに、 大量の分子が飛び回っているわけではありません。

普段私たちが感じる温度は、 空気や物体を構成する粒子の運動と関係しています。

では粒子がほとんどない真空では?

「空間そのものの温度」を普通の空気と同じ感覚で考えるのは難しい。

そこで宇宙の温度としてよく使われるのが、 宇宙全体を満たしている放射です。

それが、

宇宙マイクロ波背景放射。

宇宙には138億年前の「残り熱」がまだあります。

宇宙マイクロ波背景放射。

略して、 CMB。

これは、 ビッグバン初期の宇宙から残っている光です。

以前の記事でも出てきました。

宇宙が生まれて約38万年後。

宇宙が透明になり、 光が自由に進めるようになりました。

その光が、

今も宇宙中を飛び続けています。

宇宙が膨張するにつれて、 その光の波長は引き伸ばされました。

そして今では、 マイクロ波として観測されています。

NASAのCOBE観測では、 この背景放射がほぼ完全な黒体放射で、

温度約2.725K。

と測定されました。

つまり私たちは、

宇宙誕生直後の「残り熱」を今も観測しているんです。

これ、 めちゃくちゃ面白くないですか。

138億年かけて、宇宙はここまで冷えました。

初期宇宙は、 今とは比べものにならないほど高温でした。

そこから宇宙が膨張します。

膨張すると、 光の波長が引き伸ばされます。

波長が長くなると、 エネルギーは低くなります。

結果として、

宇宙全体がどんどん冷えていきました。

今、 約2.7K。

ほぼ絶対零度です。

でも、 完全な0Kにはなっていません。

宇宙、138億年たってもまだ少し温かい。

「少し」と言っても、 私たちから見れば猛烈に寒いですが。

じゃあ宇宙服なしで出たら、一瞬で凍る?

ここでよくある疑問です。

宇宙が約−270℃なら、

人間が宇宙空間に出た瞬間、 カチカチに凍るのか。

実は、

そう単純ではありません。

地球上では、 冷たい空気に触れることで熱を奪われます。

これが対流です。

でも宇宙には、 ほとんど空気がありません。

だから、

冷たい空気に触れて一気に体温を奪われる、ということが起こりません。

宇宙空間では、 主に放射によって熱を失います。

つまり、 熱の逃げ方が地球とは全然違います。

むしろ太陽に照らされると、めちゃくちゃ熱くなる。

そして、 宇宙の温度で一番面白いのがここです。

宇宙は寒い。

じゃあ、 人工衛星や宇宙船は全部冷え続けるのか。

違います。

太陽に照らされれば、逆にかなり熱くなります。

宇宙には、 熱を逃がしてくれる空気がありません。

そのため、 太陽光を受ける面は強烈に熱せられます。

一方、 日陰側は冷えます。

つまり、

同じ宇宙船なのに、表と裏でとんでもない温度差ができることがあります。

宇宙、 寒いだけじゃありません。

暑さと寒さの両方が極端です。

だから宇宙船には「温度管理」が必要です。

宇宙船や人工衛星は、 ただ頑丈に作ればいいわけではありません。

太陽光。

地球からの熱。

内部の電子機器が出す熱。

日陰へ入ったときの冷却。

全部を考えながら、 温度を管理する必要があります。

宇宙では「冷やす」のも「温める」のも難しいんです。

地球なら、 空気が勝手に熱を運んでくれます。

宇宙では、 そうはいきません。

何もないって、実はめちゃくちゃ扱いづらい。

しかも宇宙には、−270℃どころじゃない場所もある。

宇宙背景放射は約2.7K。

でも、 宇宙のすべてが同じ温度ではありません。

星の表面は、 何千℃。

恒星の中心は、 何百万〜何千万℃。

超新星爆発や、 ブラックホール周辺では、 さらに極端な高温環境もあります。

その一方で、

ほぼ絶対零度に近い領域もあります。

宇宙全体を一言で 「寒い場所」 と表現するのは、 かなり無理があります。

むしろ、

宇宙は「温度差が異常な場所」です。

宇宙の未来は、もっと冷たくなるかもしれない。

そして、 さらに先の話です。

宇宙は今も膨張しています。

もし現在の膨張が続けば、

宇宙背景放射の波長は、 さらに引き伸ばされていきます。

すると、

宇宙全体の背景温度は、さらに下がっていきます。

遠い未来。

星が次々と燃え尽き、 新しい星もほとんど作られなくなったら。

宇宙は、 今よりずっと暗く、 冷たい場所になっていく可能性があります。

宇宙、始まりは猛烈に熱く、未来はひたすら冷えていくかもしれません。

138億年という時間で見れば、 私たちはその途中にいます。

たった2.7Kの光から、宇宙の歴史が分かります。

でも、 私はこの話で一番ワクワクするのがここです。

宇宙背景放射の温度は、 約2.725K。

そしてその温度には、 ほんのわずかなムラがあります。

NASAのCOBE、 WMAPなどの観測によって、 その微細な違いが調べられてきました。

そのムラは、

後に銀河や銀河団へ成長する「種」につながっています。

つまり、

たった数マイクロケルビンレベルの温度差を調べることで、

138億年にわたる宇宙の歴史を読み解いている。

人類、 よくそこまで測りましたね。

宇宙もやばいですが、 観測技術もかなりやばいです。

今回のコレやばい指数

ヤバさ ★★★★☆
寒さ ★★★★★
意外度 ★★★★★
ワクワク度 ★★★★★

※「コレやばい指数」は当サイト独自の表現で、 科学的な評価指標ではありません。

今回の話をまとめます。

宇宙背景放射の温度は、 約2.725K。

摂氏では、 約−270.4℃。

絶対零度まで、 あと約2.7℃分しかありません。

でも、

「宇宙は全部−270℃」という意味ではありません。

太陽に照らされれば熱くなる。

日陰なら冷える。

星の近くは猛烈に高温。

何もない深宇宙では、 背景放射が支配的になる。

そして、 その約2.7Kの光は、

138億年前の宇宙から届いている情報です。

ただ寒いだけじゃない。

温度を測るだけで、 宇宙の始まりまで見えてくる。

……これだから宇宙は面白いんです。

今回の結論 宇宙の温度、やっぱりやばい。
−270℃の「残り熱」に、138億年の歴史が入っている。

参考・出典

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