ブラックホールがやばい!光すら逃げられない宇宙最強クラスの天体

ブラックホール、これ本当に意味が分かりません。

何がそんなにやばいのか。

まず、光が逃げられません。

光ですよ?

1秒で地球を7周半くらいできる、秒速約30万kmのあの光です。 人類が作ったロケットなんか比較にならないほど速いやつです。

それが、

「無理です。ここから出られません」

になる場所が、宇宙には実際に存在しています。

もうこの時点で十分おかしいんですが、 ブラックホールの話はここからさらにおかしくなります。

そもそもブラックホールという名前から、 宇宙空間に巨大な穴が開いていて、 そこへ何でも吸い込まれていくようなイメージを持っている人も多いと思います。

でも、穴ではありません。

ものすごい量の質量が、とんでもなく小さな領域に集中したことで、 周囲の時空そのものが強烈にゆがんでいる領域です。

普通ならここで、 「なるほど、重力がものすごく強い天体なんですね」 で終わりそうですよね。

終わりません。

一線を越えたら、もう帰れません。

ブラックホールの周囲には、 「事象の地平面」と呼ばれる境界があります。

名前からしてもう嫌な感じがします。

この境界より内側へ入ると、 外へ戻るために必要な速度が光速を超えてしまいます。

ところが、現在の物理学では 光より速く情報や物質が移動することはできません。

つまり一度この境界を越えたら、

どれだけ頑張っても戻れません。

ロケットのエンジンを全開にするとか、 ものすごい未来技術を使うとか、 そういう問題ではありません。

物理的に外へ出られません。

ちょっと待ってください。

そんな「入ったら終わり」の境界が、 宇宙に普通にあるんです。

しかもブラックホールそのものは光を出さないので、 普通の星のように直接見ることもできません。

では天文学者はどうやって見つけるのか。

ブラックホールの近くを回る星の異常な動きや、 周囲のガスが猛烈に加熱されて放つX線などを観測して、 存在を突き止めています。

つまり、

「ここ、絶対何かいるよね」

という証拠を積み上げているわけです。

地球をビー玉くらいまで潰します。

ここで、ブラックホールがどれだけ極端な存在なのか、 身近な地球で考えてみます。

地球と同じ質量をそのまま維持した状態で、 どんどん、どんどん小さく圧縮していきます。

直径約1万2700kmある地球を、 さらに小さく。

もっと小さく。

まだ小さく。

最終的には半径約9mm程度。

……約9mm?

地球ですよ。

日本もアメリカも太平洋もエベレストも地球の中心核も、 全部まとめてです。

それを、ほぼビー玉サイズに押し込む。

そこまで圧縮すると、 地球と同じ質量でも脱出速度が光速に達するほど重力が強くなります。

もう「圧縮」という言葉で済ませていいのか分かりません。

ちなみに太陽の場合もすごいです。

現在の太陽は半径約70万kmあります。

これを太陽と同じ質量のまま、 半径約3kmまで圧縮すると ブラックホールになる計算です。

太陽ですよ。

地球が約109個横に並ぶほど巨大なあの太陽を、 都市ひとつに収まりそうな大きさまで潰す。

宇宙、やりすぎです。

地球なら 約9mm 同じ質量のままブラックホール級まで圧縮した場合の半径
太陽なら 約3km 太陽質量のブラックホールのシュヴァルツシルト半径の目安
超巨大ブラックホール 数十億倍 太陽の数十億倍もの質量を持つものまで存在

でも、何でも吸い込む宇宙の掃除機ではありません。

ここで一つ、 ブラックホールについてよくある誤解があります。

ブラックホールというと、 宇宙のものを片っ端からズズズッと吸い込んでしまう、 巨大な掃除機みたいなイメージがありますよね。

実際は違います。

例えば、もし太陽が突然、 「同じ質量のブラックホール」に置き換わったとします。

もちろん太陽の光がなくなるので地球は大変なことになりますが、 重力だけを見ると、 地球は基本的に今と同じような軌道を回り続けます。

ブラックホールだからといって、 遠くにあるものまで謎の吸引力で引きずり込むわけではありません。

危険なのは、かなり近づいたときです。

そして近づきすぎると、 今度は別の意味でやばくなります。

近づくと、体の上下で重力が変わります。

ブラックホールの近くでは、 距離が少し違うだけでも重力の強さが大きく変わります。

例えば人間が足から落ちていくとします。

足のほうがブラックホールに近いので、 頭より強く引っ張られます。

すると体は縦方向に引き伸ばされ、 横方向には押し縮められていきます。

この現象には、ちゃんと名前があります。

スパゲッティ化。

冗談みたいですが、本当にこの名前で呼ばれています。

名前だけ少し面白いですが、 起きていることは全然面白くありません。

しかも時間までおかしくなります。

ブラックホールの近くでは、 強烈な重力によって時間の進み方にも違いが生まれます。

遠くから見ている人に比べて、 ブラックホールへ近づいた人の時間はゆっくり進みます。

これはSFの設定ではありません。

アインシュタインの一般相対性理論から導かれる現象です。

つまりブラックホールは、 「ものを強く引っ張る天体」だけではなく、

空間だけでなく、時間まで狂わせます。

ここまで来ると、 重力という言葉から想像するものとだいぶ違ってきます。

で、中はどうなってるの?

当然ここが気になります。

事象の地平面を越えた先には何があるのか。

ブラックホールの中心では何が起きているのか。

答えは、

完全には分かっていません。

そこがまたやばい。

一般相対性理論では、 ブラックホールの中心に特異点と呼ばれる状態が 現れると考えられます。

ところがそこで計算すると、 密度や時空の曲率が無限大になるような答えが出てきます。

物理学者としては、

「はい、無限大になりました。終了です」

とは当然いきません。

むしろこれは、 現在の理論だけではブラックホールの内部を完全に説明できない可能性を示しています。

重力を説明する一般相対性理論と、 超小さな世界を説明する量子力学をどう統一するのか。

ブラックホールは、 現代物理学の大問題まで連れてきます。

さらに、宇宙の初期からデカいやつがいます。

もう一つ問題があります。

銀河の中心には、 太陽の何百万倍、何十億倍という質量を持つ 超巨大ブラックホールが存在します。

ここで疑問が出ます。

どうやって、そんなに大きくなったの?

ブラックホールが周囲の物質を取り込みながら 成長すること自体は分かっています。

しかし宇宙がまだ若かった時代にも、 すでに巨大なブラックホールが存在していたことが観測されています。

つまり、

そんな短期間で、そこまで育つ?

という問題です。

近年はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、 宇宙初期のブラックホールについて 新しい観測結果が次々と出ています。

つまりブラックホールは、 見つければ見つけるほど謎が減るどころか、

むしろ謎を増やしてきます。

今回のコレやばい指数

ヤバさ ★★★★★
スケール感 ★★★★★
理解不能度 ★★★★★
怖さ ★★★★☆

※「コレやばい指数」は当サイト独自の表現で、 科学的な評価指標ではありません。

ということで今回の結論です。

光が逃げられない。

地球なら約9mmまで潰せばブラックホール級。

近づけば体が引き伸ばされる。

時間まで遅くなる。

そして内部で何が起きているのか、 まだ完全には分からない。

一個だけでも十分なのに、 全部乗せです。

今回の結論 ブラックホール、やっぱりやばい。

参考・出典

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